昭和からの贈りもの 第1章 明治35年〜明治末の記録

 1-12.明治42年・明治時代の生命保険   ・ 


明治42年の生命保険領収證

資料を整理していましたら、一緒に古い領収証が出てきました。

祖母の保険の領収証のようですが、日付は何と明治42年4月5日です。
明治時代に保険に入っていたとは驚きましたが、この時の年齢は15歳になったばかりです。
この頃に祖母は東京の跡見女学校に入学していますので、鹿沼から東京に上京するということもあって保険に入ったのでしょうか?

被保険者の荒瀬ヤスが祖母の名で、保険契約者の荒瀬喜四郎が祖母の父になり、私の祖祖父にあたります。

日本生命保険株式会社の鹿沼支店での加入のようですが、日本生命は日本で3番目の保険会社として明治22年に創業しています。
日本で最初の生命保険は、明治14年の明治生命保険ですが、日本生命は加入者数を増やし、明治32年には加入者数が1位まで成長します。

《10年払い込み 50歳受け取り》とも読めますが、肝心の保険金額は、支払いが年額で24円45銭で、保障額は500円となっています。
現在の金額に換算するのは難しいのですが、単純に1万倍と考え、保障が500万円としますと、保険金額は年間24万円ということになります。
そう思うと随分高いようにも感じます。


明治45年の生命保険領収證

この明治42年以降も継続して保険に加入し続けていたようですが、下は明治45年4月5日から46年4月4日の日付けです。
明治は45年7月29日までとなり、7月30日からは大正時代となりますので、実際には明治46年4月4日と言う日は存在していません。
明治から大正への時代の移りを表す珍しいものといえますね。


大正7年の生命保険領収證

そして上が大正7年の保険領収證ですが、10年払い込みという契約のようでしたので、大正7年で丁度10年です。
また大正6年に結婚し、荒瀬姓から平井姓に変わっていましたので、この日本生命の鹿沼支店での加入は、この年の契約で終える事になったようです。


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