昭和からの贈りもの 第1章 明治35年〜明治末の記録

 1-13.明治42年・結婚記念写真   ・ 


祖母実家兄・結婚式/明治42年

上は、祖母の実家のある鹿沼の兄の結婚式の写真です。
台紙には【野洲鹿沼町學校前 好美館大谷謹寫】の名がプリントされ、《明治四十二年十一月五日》の印が押されています。


祖母の兄と言うことは、実家の酒屋さんの跡取りとなりますので、結構立派な結婚式だった事と思われますが、写真に写る六連の屏風には、平安朝と思われる人物や騎馬武者も描かれています。
因みに【野州(やしゅう)】とは下野国の事で、現在の栃木県を指します。


その前にある松も随分大きく枝ぶりも見事ですが、松の上には鶴が二匹と、根元には尾の長い亀もいるようです。
更に亀の横には翁と翁女の置物があると言うことは【高砂】のようです。


松に鶴亀と高砂などは、九谷焼にもよく描かれている絵柄ですが、まさにおめでたいお席にぴったりといった感じです。
現在はあまりこうした光景はお目にかかれませんが、こうした伝統的なものも大切なものと改めて思う一枚です。


明治時代の写真は他にもたくさんありましたが、一様に立派な台紙に貼られ、写真館の刻印が入ったものばかりです。

それにしても英語表記が《KoBiKWAN》となっています。
大文字小文字も混ざっていますが、《クヮン》も英語です。

こういった所も明治時代を感じさせてくれます。


写真台紙

KobiKwan


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