3-17.築100年以上の家 ← ・ → |
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上は、明治35年頃に建てられたという伯父宅の外観です。 100年以上も前に建てられ、2階部分など何度か改装されててきました。 家を取り壊す際に、歴史ある建物に興味を持って頂き、可能なものは保存をし、可能なものは再利用して頂いた、東京藝術大学の福濱教授が撮影されたものです。 門はちょっと変わった造りになっていて、通常は写真左のようにくぐり戸から出入りをしますが、門全体も大きく開くようになっています。 右の写真では敷居が残っていますが、これも全て開き、何と人力車が玄関口まで入ってこれるようになっています。 確かに昭和初期までは人力車の数も多く、そうした事も踏まえて家が造られていたようです。 上、【昭和5年・上野桜木自宅前】にも登場した自宅前ですが、門の長さが長いようです。 更に門の内側には家屋がないようにも見えます。 これは昭和8年に家の大増築をした際、2階の部分が増築された為、古い写真にはこの部分は写っていません。 また改築に伴って、裏口の位置も変わってゆきます。 「門かぶりの松といって立派な松の木があったなぁ〜写真で残って居なかったのかなぁ〜」 との伯父の言葉で再度探して出てきたのが上の写真です。 門が写っておらず【門かぶり】といった感じがしませんが、改装前に大きな松の木なども庭にあったとの事で、その【門かぶりの松】の唯一の写真です。 |
この大きな門をくぐって中に入ると玄関になります。
玄関前には石畳が敷き詰められており、玄関は左の写真でも判るように綺麗な格子戸になっております。 今ではこうした格子戸の玄関などは見られなくなりましたが、かつてはこうした細工の玄関が多かったそうです。 更に玄関上のガラス戸の部分にも綺麗な文様が描かれているのがわかります。 こうして見ても、家の中の戸といい、玄関の格子戸といい、涼を求めたり、光を取り入れるという古い知恵がふんだんに取り入れられていることが判り、明治時代の建築物の素晴らしさが感じられますね。 そして下は玄関入り口の塀にあった【郵便差入口】と、玄関先を照らす行灯です。 明治大正昭和を経ている郵便差し入れ口は、何度も投函され続け、丸みを帯びていますが、なんとなく説得力のある《郵便差し入れ口》ですね。 逆に玄関先を照らす照明は、程よいカーブを描き、その丸味を帯びており、まさに光で包んでくれるような玄関に相応しい感じですね。 |
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