昭和からの贈りもの 第2章 大正時代

 2-19.大正11年・根岸幼稚園入園   ・ 


 根岸幼稚園入園式/大正11年

伯父の家では、兄弟は皆根岸幼稚園に通っていましたが、写真は大正11年の根岸幼稚園入園式の時のものです。
かなり大きめの台紙に貼られていますが、前から2列、右から4番目に真ん丸い伯父の顔が見えます。
また、園児の人数が多いようですが、この時の新入園児は男の子30名、女の子20名の合計50名です。
現在は園児の総数が50名前後という幼稚園や保育園もありますが、大正時代にしてはずいぶんたくさんの園児だったのですね。

服装も、着物があれば洋服もあり、学生服があれば男子のセーラー服もあります。
女の子はほとんどがオカッパ頭で、前掛け着用のようですが、足元は革靴があれば草履などさまざまな服装であった事が判ります。

尚、セーラー服と言えば、女学生の制服として知られていますが、元々はイギリス海軍の軍服として採用され、日本でも明治初期から海軍の制服として採用されます。
その後海外では子供服としても人気となり、明治18年には当時6歳の大正天皇も着用されています。
このセーラー服が初めて女学生の制服として採用したのは、大正10年福岡県の福岡女学院と言われています。
当時の外国人女性校長のエリザベス・リーが、自らの経験を踏まえ、女性の為の動きやすい制服として提案し、新しい制服が出来る事になり、その後各地に広まって行きます。

上の写真は大正11年ですが、まだ女学生の制服というより、子供服として定着していた事がわかりますね。


撮影は【下谷區坂本町 豊田春光堂】となっていますが、英語表記が【shiunko-do-e】です。
こうした表記も時代を感じるひとつです。



豊田春光堂撮影

現在の根岸幼稚園

さて、この根岸幼稚園は、現在も台東区立幼稚園として根岸小学校の隣にあります。
毎日元気な子供たちが通っていますが、創立は明治22年で、まもなく創立120年というう歴史のある幼稚園です。
大正11年と言う事は今から86年前ですが、こうした1枚が改めて歴史を感じさせてくれます。


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