2-15.大正時代・屋形船 ← ・ → |
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上の写真は保存状態があまりよくありませんが、伯父に確認しましたら、大正時代の父の接待時の写真だろうとのことです。 舟には提灯がぶら下がり、中のテーブルのような座敷の周りには人影がみえますが、中ほどの女性は髪形や装いからしますと、芸者さんのように見受けられます。 という事は、仕事の商談や接待等で舟を使った、いわゆる【屋形船】のようです。 こういった舟に乗って、お役人や悪者達が密談するシーンは、テレビや映画など時代劇の《お決まりの場面》として何度も目にしておりますが、実際に接待で使っていると思われる写真を見たのは初めてです。 勤め先があった日本橋小舟町には、当時堀留川という掘割があり、荷物の運搬には舟を使う事が多かったそうです。 また日本橋川や神田川には数多くの船宿があり、舟は交通手段としてもそうですが、商談や舟遊びで利用する事も、結構多い時代だったようですです。 祖父の【斉藤弁之助商店】での番頭さんとしての立場柄、こうした屋形船を使っての商談は大切な事だったのでしょうね。
こちらは同じように屋形船でくつろぐ祖父の姿ですが、まさに《粋》といった感じがする一枚ですね。 上の舟と見比べますと、舟の形や障子が違うようですので、写真は別々に撮られたものだと思います。 きっと屋形舟は度々利用していたのでしょう。 因みに現在隅田川沿いは【隅田川テラス】として遊歩道になっていますが、ここの欄干に描かれているのは、上の写真のような【屋形船】でした。 やはりかつて、隅田川にはたくさんの【屋形船】が行き交っていたのですね。 |
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