3-11.昭和5年・少年倶楽部 2 ← ・ → |
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現代の少年雑誌といえばマンガが中心の雑誌ですので、当初【少年倶楽部】とは現在と同じように、漫画を中心とした雑誌と思っていましたが、実際に古い雑誌を手にして読んで驚きました。 というのも、この頃の【少年倶楽部】は漫画は非常に少なく・・・というよりほんの僅かで、殆どが読み物で構成されていました。 更に驚いたのは、吉川英二氏、菊池寛氏ら名だたる作家やサトウハチロー氏や野口雨情氏ら童謡作家も名を連ね、彼らの小説や読み物を始め、世界の紹介や、理科や社会、歴史の記事や読者参加型のコーナーなどが盛りだくさんです。 また挿絵も当時の大御所と言われる画家の絵がふんだんで、写真以上にリアル感のある作品が揃っています。 更に、毎号懸賞があり、今では考えられない程の豪華なボリュームです。 ある号では、一等がオルガン2名、五等が柱時計10名、六等が顕微鏡10名、そして二十等が本カバー10000名と続きますが、なんとも驚きです。 その後、漫画も大切な楽しみという事から昭和6年になって登場したのが、【のらくろ】です。 昭和7年の11月号をみますと、【のらくろ】はたった4ページですが、この連載が始まるや否や、【のらくろ】は一躍国民的スターになって行くのは周知の事です。 下は連載が始まって以降に発売された単行本ですが、のらくろはその後10年以上も続く事になります。 【のらくろ】については昭和8年・博覧会2 のらくろ不思議館にも記載があります。 この他にも、昭和8年には【冒険ダン吉】の漫画の連載が始まり、また江戸川乱歩の【少年探偵団】も昭和9年から連載が開始され、ますます【少年倶楽部】は人気の雑誌となって行きました。 当時、伯父たちが読んでいた雑誌は、他には【幼年倶楽部】、【キング】等があったそうです。 どちらかというと【幼年倶楽部】は小学低学年から4年生までで、【少年倶楽部】は小学校高学年向け。 そして【キング】が中学生向けだったそうで、こうした雑誌は、兄弟5人はもちろん、近所の子供たちと一緒に、それこそ破れるほど見ていたそうです。 また他にも【日本少年】【少年世界】【少年少女譚海】【少女倶楽部】などがあり、この頃はさながら少年雑誌戦国時代という感じですね。 下は昭和7年頃の伯父の自宅2階の写真ですが、友人が手にしているのは、少年倶楽部かキングのようです。 1枚目の写真右端に写っている【児童年鑑】は昭和11年発行のものですが、内容がとても素晴らしいものです。 皇室関係の記載から始まり、日本や世界の歴史はもとより、地球の歴史をカラー絵図で紹介したものや人体の構造や健康、日本各都道府県のマーク、人口、気温、特産、標高といった記載から、栄養素一覧に鉄道路線図。 歴代内閣一覧や人名一覧、国史年表に神社一覧。 そして時節柄、世界の国力一覧や、階級賞一覧に、軍艦の解説などもありますが、これ一冊でいろいろな情報がわかる本です。 ラジオもテレビも無い時代だからこそ、こうした雑誌や本が貴重な情報源となり、楽しみだったのでしょうね。 |
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