4-28.昭和8年・萬国婦人子供博覧会 2 のらくろ不思議館   ・ 


のらくろ不思議館前の祖父と五男の父/昭和8年

写真は博覧会の会場にての祖父と五男(私の父)ですが、この写真を見ても歩く人たちは着物姿から洋装とさまざまで、古い時代と新しい時代が混じっている様子がわかります。
祖父は右腕に何か持っているようですが、お土産でしょうか?どんなものか気になりますね。

後には【のらくろ】が戦車に乗った楽しそうな建物がありますが、これは【のらくろ不思議館】という今で言うパビリオンのようです。
【のらくろ】の件は【昭和6年の出来事】でも述べていますが、田河水泡さんが昭和6年から【少年倶楽部】に連載した、この時代の一大傑作で、みなしごの犬が軍隊に入隊し活躍するストーリーです。
当初一年で完結するはずだったものが、あまりの人気で連載が続き、その後10年以上も続いたベストセラーです。


この、写真をみて伯父は
「おっ!この【のらくろ】は伍長さんだな!」
と申していましたが、首に下げている階級証が軍隊の伍長さんの階級だそうで、さすが軍隊経験のある伯父は、見るところも違います。
【のらくろ】は連載を重ねる毎に階級が昇進して行ったそうですが、丁度この写真の昭和8年当時の階級が伍長さんのようでした。
また戦車のキャタピラ部分には(キングレコード・現代・パミール・トラシン)等の名前が見えますが、協賛各社名なのでしょうか?

さてさて、この【のらくろ不思議館】にはどんな不思議が詰まっていたのでしょうかね?  


萬国婦人子供博覧 のらくろ不思議館/昭和8年

こちらも同じ会場ですが、今度は【のらくろ不思議館】をメインに撮影しているようです。
それくらい珍しい建物であり、注目すべきパビリオンだったという事でしょう。

その右後には【高島屋10・20銭ストア】なる高い看板と建物も見えますが、これは高島屋が昭和6年頃に東京で展開していたチェーン店です。
しかも[10銭、20銭均一ストア]となっていますが、これは今で言う100円ショップのはしりのようなお店ですね。



元々アメリカに10セントストアがあり、それにならって【十銭ストア(テンセンストア)】を始めますが、丁度この頃の十銭時代と合って大人気となり、全国で106店ものチェーン店まで展開していきます。

当然ながら、まねる店舗も出現し、5銭ショップなども出たそうですが、こうしたお店が75年も前からあったとは驚きです。



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