2-2.大正時代・塩原温泉 ← ・ → |
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上の写真は、かなり大きめな台紙に貼ってあり、台紙右端には【杉山 本店常陸高萩・支店下野塩原】というプリントがなされています。 下野塩原という事は現在の【塩原温泉】の事で、大正時代には関東でも有数な観光地となっていました。 随分たくさんの方が写っていますが、よく見ますと、着物姿の男性や三つ揃いの洋服の男性に混じって、女性の姿も見受けられます。 もちろん祖父の姿も中ほどに見えますが、これも日本橋の【斎藤弁之助商店】の番頭さんとしてのお仕事関係のもので、取引関係の旅行か、もしくは日本橋小舟町の組合の旅行だったのでしょうか? 確かに年配の方もいれば、若旦那といった感じの方も見受けられます。 いずれにしましても、これだけ大勢の人数で旅行をし、記念撮影となると、規模が大きかったものと思われます。 男性は胸や帽子にリボンのようなものを付けているようです。 また女性達のお揃いの髪形や、服装、そして年齢からしますと、どうも家族の方とは思えませんので、皆さん芸者さんなのかもしれません。 そう考えると、やはり組合か何かの慰安旅行なのかもしれませんね。 残念ながら旅館の場所や名前の記述はありませんが、右手の家屋が旅館だったのでしょうか? 塩原温泉はその歴史も古く、1200年前には発見されたと言われています。 明治に入って道路が開通した事によって一気に広まり、また夏目漱石や谷崎潤一郎、与謝野晶子や斎藤茂吉等文豪が愛した温泉としても知られており、当時としては格好の行楽地だったと思われます。 |
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