昭和からの贈りもの 第2章 大正時代

 2-12.大正7年・鐘紡工場 1918   ・  


組合修養会 於鐘紡工場/大正7年

かなり色焼けした大きな台紙に貼られた写真が出てきました。
写真裏には
《大正七年十二月一日 組合修養會 第一回修学鐘紡工場 観覧組合撮影ス》
と言う文字と一緒に、
《前列向テ右・・・四番目 工場長 五番目 日本橋区長 六番目 柿沼會長 七番目 高木代議士》
と言う名前も書かれています。


写真裏面


この中の柿沼會長とは、同じ日本橋小舟町で綿糸問屋を営み、また紡績関連会社の役員や日本橋区議長を務めていた、実業家の柿沼谷蔵氏と思われます。
日本橋区長や代議士と一緒に、祖父も写っていますし、厚い台紙には【東京北千住中組 千柳舘】と印字されていますので、これは鐘紡本社工場で行われた、日本橋の紡績関係の問屋さんたちが集まっての研修会とか会議の時の記念撮影ではないでしょうか?

【水神八百松】の頁にもありましたように、鐘紡本社工場は、現在の白髭東アパートの一部が建っている鐘ヶ淵(現堤通)に本社工場がありました。
現在は1棟のみ支社があるだけですが、この工場に日本橋の組合の修養會として訪れたものと思われます。

鐘紡は明治20年にこの地で創業を開始し、昭和前半には売上高が日本一となり、文字通り日本最大の企業となりましたが、戦後は業績が落ち込み、平成19年6月をもってカネボウという社名も無くなりました。

当時は紡績繊維関係の需要が最盛期の時代だったと思いますし、国を挙げて繊維の発展に力していた頃と思います。そういった中では、重要な役割を担っていたものともいえますね。


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