5-1.昭和9年・言問通り 1934  (第4章 昭和8年へ) ・ 


昭和9年の言問通りの浄名院角

この写真は、伯父が保管してくれた数多い写真の中でも、私の大好きな写真の一枚です。
ネガとプリントの両方残っていましたが、プリントされた裏を見ると
「小郡から帰る母 待つ 昭9 12」と書かれています。



上記写真と同じ場所/平成19年1月撮影


伯父の記憶とあわせると、写真は母親が旅先から帰ってくる日に、【浄名院】の前の言問通りでその帰りを待っている四男と五男(私の父)のようです。

また下は帰った母と一緒に、お母さんの荷物を持って家へ向かうところを撮ったものです。

歩道の縁石に足を乗せ、少しでも高い所から、今か今かと母親の帰りを待つ楽しそうな様子といい、いざ帰って来て、いそいそと家へ向かう姿。
きっと何処でもこうした光景が見られた時代だったのでしょう。

映っている車は、運転手さんもいることから【円タク】のようです。

その後ろには《桜木町〃會》と住所標識を兼ねた裸電球の外灯が見えますが、この程度の外灯では、言問通りといえども夜は暗かったことでしょう。


因みに外灯の後ろにちょっと見えるのが伯父の家になります。

右下の写真は現在の同じ場所の写真です
右端浄名院の塀を見ますと、土台の部分がそのままであることが判ります。
また横の細い小路や、タクシーが停まっていた場所も現在と変わりません。


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