昭和10年の出来事 1935 ← ・ →
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| 【1月】 |
| 1 |
東京市では初の保健所となる、市特別衛生地区保険館を京橋に開設します。
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| 8 |
東京檜原村の女子青年部では女性の【もんぺ】を常服と決定しこの日から実施します。
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もともと田舎等で農作業用の服装として、袴の裾を絞った【もんぺい】がありましたが、これをこの頃になって鐘紡兵庫工場がで加工し新型の作業ズボンとして発表したのが【もんぺ】のはじまりと言われています。
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これ以降【もんぺ】は国民服となり、新しい女性の服装として急速に普及していきます。 |
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| 24 |
大阪豊能郡で【忠犬ツル】の碑が建立され式典が行われます。
寒さと飢えの為山中で死亡した主人の亡骸を20日間も守り続けたという事から、村人らの寄付などで、主人が眠る墓地に建立されますが、これも忠犬ブームの一のようです。
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兵庫県の宝塚大劇場の舞台裏から出火し大劇場が全焼します。（写真10-1）
宝塚大劇場は大正12年にも失火しており今回で2度目となります。
が、延焼を逃れた中劇場で興行は続けられ、大劇場も3月30日には再建します。 |
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| ・ |
前年の学生のカフェー出入りが禁止されたこともあって喫茶店が大流行し、この年には東京の喫茶店数は10500店となります。
中には女給がサービスをしたりお酒を提供する喫茶店もまだありましたが、純粋に珈琲を提供する純喫茶が増え、特に大学が多く集まる神保町界隈には【喫茶店横丁】と言われる繁華街もありました。（写真10-2）
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| ・ |
少年倶楽部で【怪傑黒頭巾】が連載が開始され大人気となります。
戦後になっても人気は根強く、映画やテレビなどでもシリーズ化されます。
因みに作者の高垣眸が住んだ青梅市には【怪傑黒頭巾誕生の地】の碑が立っています。 |
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10-1．火事で出火した宝塚大劇場/アサヒグラフ |
10-2．学生でいっぱいの喫茶店/アサヒグラフ |
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| 【2月】 |
| 2 |
大阪女教員大会で、女教員の服装をなるべく洋装とするように決定します。
以降女性の職場進出に伴って洋装が増えてゆきます。 |
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| 11 |
築地市場が開業します。
江戸時代から明治大正にかけ【日本橋魚河岸】として現在の三越裏手から昭和通りにかけての、日本橋川沿いにさまざまな魚屋が軒を連ねていました。
が、大正12年の関東大震災で日本橋魚河岸は焼滅したことから、海軍省の所有地だった築地に市場が臨時に移転し、ようやくの本開業となります。
（写真10-3）
現在日本橋近くの乙女広場には【日本橋魚河岸発祥の地】の碑が立っています。
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因みに築地は元々は海でしたが、浅草の本願寺が明暦の大火（1657）によって焼失したことから、幕府の命によってこの場所に移転となり、佃島の住民らによって埋め立てられて、築かれた地と言うことで、築地が出来ます。
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江戸末期には軍事力増強の為、武芸訓練所の講武所を設け、その後軍艦操練場が設けられ、後に海軍省施設が建設されます。
現在も築地市場近くの水神社には、海軍発祥の石碑と言える【籏山】の石碑が立っています。
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| 14 |
前年発足した大日本東京野球倶楽部が、横浜港から秩父丸に乗ってアメリカ遠征に出発します。
75勝34敗1引き分けの成績を残して7月に帰国します
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| 18 |
この日の貴族院会議にて、美濃部達吉（東大名誉教授・貴族院議員）が唱える【天皇機関説】に対し、菊池武夫議員が、『反逆思想である！』と激しい排撃がなされます。《天皇機関説事件》（写真10-4）
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| 25 |
先の貴族院での【天皇機関説】排撃に対し、それまで沈黙をしていた美濃部達吉が、突如弁明としての発言を求め、菊池武夫らに対して逆襲を行います。
この件では、後に美濃部議員は不敬罪で告発され、議員辞職し暴漢に襲われる事になります。《天皇機関説事件》 （写真10-5）
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| ・ |
この月湯川秀樹氏が《中間子論》を発表します。
後に日本人初のノーベル賞を受賞するのは、この14年後の昭和24年のことです。 |
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10-3．開業前の築地市場/絵葉書 |
10-4．天皇機関説に関する書籍/you tube |
10-5．天皇機関説の弁明を報じる記事/大阪朝日新聞 |
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| 【3月】 |
| 1 |
奥村むめおが東京市谷に、職業婦人の保護自立を目的とした【働く婦人の家】を設立します。
すでに大阪などでは設立していましたが、拠点を東京に構え、活動を活発化して行きます。
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衆議院にて産婆の地位向上に向けた産婆法案が可決されます。
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4
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共産党中央委員の袴田里見が特高に検挙され、共産党は壊滅し、同時に機関誌【赤旗】も終刊となります。
この後共産党が復活するのは戦後となります。
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| 5 |
羽田空港で【エア・タキシー】が開業します。
東京航空輸送会社が開業したもので、料金が1分1円で700キロまでは無着陸で運行しました。
また遊覧飛行も開始し、運賃30円で江ノ島までを遊覧します。
写真は【6-3.昭和13年頃・遊覧飛行】に掲載している遊覧飛行機です。（写真10-6） |
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| 8 |
前年には銅像の除幕式も行われ、皆に可愛がられた【ハチ公】が、渋谷駅前の酒屋の路地で朝早く、冷たくなって見つかります。
（写真10-7・昭和初期の渋谷駅前）
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享年は13歳で、遺体はすぐさま渋谷署へ運ばれ、上野博士の夫人や現在の飼い主なども駆けつけますが、渋谷駅長も最近のハチ公の容態を気にかけていた矢先の事で、ハチ公の銅像には喪章が付けられ、聞きつけた人々が大勢訪れます。（写真10-7） |
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渋谷駅前では僧侶8人が読経し数千人が詰め掛けて盛大なお葬式が行われました。
また渋谷署では死亡通知書も出します。 |
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ハチ公の死因は解剖の結果寄生虫によるフィラリア症にかかって死亡したものと判断されました。
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関係者一同で協議した結果、ハチ公は上野科学博物館に寄贈し、剥製にして展示する事が決定します。
また骨肉については、帰りを待ち続けた上野博士の墓前の傍らに葬られることになり、ようやく青山墓地で博士と会う事ができました。
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この4月には教科書に掲載され、その後絵本やＴＶ、映画化もされましたが、現在は国立科学博物館で剥製となった【ハチ公】に会うことができます。（写真10-9） |
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尚、戦後になって最初にハチ公の記事を掲載した朝日新聞では
| ハチ公は主人を待っていたのではなく、駅前でもらえる焼き鳥が目当てで、当時の記者があえて亡き主人を待つ老犬の話として新聞に掲載したものだった |
と報じます。
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当時の軍部や政府の方針と合い、忠誠心を煽るある種のプロパガンダにされたとも言われます。 |
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事実死亡したハチ公のお腹からは焼き鳥の串が何本も出たそうですが、ハチ公の事が報じられる前は駅前では邪険にもされていたようで、報じられてから焼き鳥などを与えられるようになったとも言われます。
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いずれにせよ、当時から現在までハチ公を哀れみ、愛しんだ事は事実で、現在もその精神は受け継がれています。 |
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追：平成23年になって76年間保存された内臓をMRIで診断した結果、肺癌を患い、心臓にまで癌が転移していた事がわかりました。
→昭和7年の出来事・10月（新聞に初登場）
→昭和9年の出来事・4月（ハチ公銅像)
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| 21 |
既に愛国婦人会や大日本国防婦人会などが発足していましたが、この日新たに【日本婦人連盟】が発足します。 |
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| 21 |
無実を訴えていた無期懲役囚の吉田石松氏が23年ぶりに秋田刑務所を仮出所し再審請求されます。
後の昭和38年に、無罪が確定しますが、《昭和の岩窟王》と称されました。 |
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| 22 |
ドイツで世界初のテレビ定期放送が開始されます。
フランスでも翌4月から放送されます。 |
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| 26 |
横浜山下公園で【復興記念横浜大博覧会】が開催されます。
震災復興三大公園のひとつとして昭和5年に完成した山下公園を会場に、近代科学館や海洋展示館などが設けられ、生きた鯨を生簀で泳がせ人気を呼びました。
この日から5月24日まで開催され、329万人が訪れます。（写真10-10）
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| 26 |
長崎県端島（軍艦島）の炭鉱でガス爆発が起こり、27名の死傷者を出します。
軍艦島の人口はこの頃3000名を超え、ピークは昭和35年の5151名ですが、昭和49年に閉山し無人島となります。
が、最近になって観光地として公開され人気となっています。（写真10-11）
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| 27 |
昭和8年の国連脱退通告から2年経ち、この日正式に国連を脱退します。 |
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10-6．エアタキシーとも言われた遊覧飛行機/昭和13年 |
10-7．昭和初期の渋谷駅前/ウィキメディア
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10-8．喪章を付けられたハチ公銅像
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10-9．現在も見る事が出来るハチ公剥製/国立科学博物館蔵
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10-10．復興記念横浜大博覧会 正門/絵葉書
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10-11．昭和5年の端島/ウィキメディア
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| 【4月】 |
| 3 |
名古屋市に東山公園が開園します。
といっても広い園内に道路を配置しただけで、動物園や植物園が出来るのは2年後の昭和12年になってからです。 |
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| 6 |
満州国皇帝の溥儀が軍艦比叡にて来日します。
東京駅では天皇陛下が出迎え、提灯行列や花電車がお目見えします。（写真10-12）
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その後、京都、大阪、奈良、神戸、宮島などでも大歓迎を受け4月24日に離日します。 |
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この来日を期に国内では中国服がブームとなります。 |
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| 9 |
ラジオ聴取契約数が200万を突破します。
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| 12 |
【日産自動車横浜工場】で一環流れ作業による国産第1号車《ダットサン》が製造され、その日から販売されます。
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この《ダットサン》という名称は、昭和5年に試作車として《ダット号》が作られ、翌年には《ダット号》の息子という意味で《DATSON》という名称で製造されます。
ところが《SON》では日本語の《損》に繋がるということで、最終的に太陽の意味合いもある《SUN》となり《DATSUN》になったと言われています。 |
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《明治の人力車、大正の自転車、昭和のダットサン》はこの年のキャッチフレーズでした。 |
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因みに【昭和13年頃・ダットサン】で叔父が乗って写っているのはダットサンフェートン16型です。（写真10-13） （写真10-14）
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日産に続き、【豊田自動織機】（現トヨタ自動車）がA1型乗用車を試作し、11月には国産トラック第1号の【G1型】トラックを販売します。↓11月の出来事
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| 15 |
日本放送協会は学校向けの【学校放送】を開始します。 |
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この月から宮田製作所がアサヒ号AA型軽オートバイの量産を開始します。
175ccの単気筒エンジンを搭載し価格は340円で人気となります。
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またハーレダビッドソンの【陸王】も国内生産化されます。 |
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| ・ |
この頃から女学生の間に、君、僕、失敬などの男言葉が流行ります。 |
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| ・ |
丸の内などに高層ビルが増えると共に、高層ビルで働く人たちにめまいや頭痛といった、一種の神経衰弱症とみられる《ビル病》が流行します。
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| ・ |
この頃国産愛用運動の一環として《下駄履き運動》が唱えられます。
古い写真の中にも下駄履きが多くありますが、右は【5-22.昭和10年・鹿沼 黒川】に掲載の写真ですが、この頃は日常的に下駄履きが多かったようです。（写真10-15） |
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10-13．昭和13年頃のダットサン |
10-14．昭和10年頃のダットサンの新聞広告 |
10-15．日常的な下駄履き |
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| 【5月】 |
| 18 |
楠木正成没後600年を記念して、【大南公600年祭記念祭典】が東京日本青年館や、神戸市湊川神社など各地で開催され花電車なども登場します。（写真10-16）
また楠木正成の本や絵なども人気となります。 |
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| 30 |
福島県湯元町の炭鉱でガス爆発が起こり47名の死傷者を出します。
この頃は全国各地の鉱山などでガス爆発が多発していました。
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尚湯本は元々奈良時代から続く名湯でしたが、石炭の掘削によって大正中頃には温泉の湧出が止まり、再び温泉が出るようになったのが昭和17年です。
その後石炭需要が減り閉山が相次ぐ中昭和41年にオープンしたのが常磐ハワイアンセンターです。（現スパリゾートハワイアンズ） |
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| ・ |
陸軍憲兵隊は京橋の出版業から広重の浮世絵の【阿波鳴門】を押収し、今後の出版を禁止します。
広重の書いた鳴門海峡の渦巻きや島々などが真に迫り、現在の要塞地帯を伺わせる事が理由でした。（写真10-17）
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| ・ |
この頃は主婦層に内職が大流行でしたが、本所の婦人職業紹介所にも内職部が開設されます。
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10-16．大楠公600年祭復興記念横浜大博覧会/絵葉書
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10-17．広重作の阿波鳴門 浮世絵 |
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| 【6月】 |
| 1 |
鉄道省では女子車掌が初登場します。 |
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| 1 |
小田急では新宿から小田原までノンストップ90分で繋ぐ【週末温泉特急】の運行を開始します。
現在のロマンスカーの原点とも言えますが、これによって小田原箱根方面がより近くなります。
写真は【4-20.昭和7年・小田原駅】に掲載している昭和7年の小田原駅です。（写真10-18）
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| 1 |
NHKでは米国西海岸やハワイ向けの海外放送を開始します。 |
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| 5 |
上野動物園にシャム国（現タイ）からインド象が贈られ、花子と名付けられます。
これで上野動物園の象は3頭になり、人気となりますが、太平洋戦争真っ只中の昭和18年に、危険動物ということから戦時猛獣処分令が下され、最後には餓死する事になります。
写真は【4-47.昭和8年・上野動物園 2】に掲載の昭和8年の上野動物園のトンキーです。（写真10-19） |
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| 9 |
甲子園南運動場で行われた日本フィリピン対抗競技会で、100m走の吉岡隆徳選手が10秒3の世界タイ記録を出します。
スタートの速さは世界一とも言われ、日の丸の鉢巻姿から《暁の超特急》と言われます。 |
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| 19 |
東京市社会局が行った《紙芝居に関する調査》によると市内の紙芝居業者は2000名に上り、一人の業者が1箇所に集める子供は30人から50人で、1日10回の紙芝居を見せると300人から500人となります。
これによって東京市2000人の業者は1日に60万人から100万人の子供たちが紙芝居を見ることになると発表します。 |
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こうしたこともあってか、次第に紙芝居の内容も統制されてゆく事になります。
右は昭和14年と18年に作成された紙芝居ですが、製作は日本教育紙芝居協会で内容についてもいわゆる道徳的なもので、既に統制がなされている時代を反映しています。（写真10-20） |
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10-18．昭和7年の小田原駅
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10-19．昭和8年の上野動物園トンキー |
10-20．戦前の紙芝居 |
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| 【7月】 |
| 2 |
日本語の手本とする【正しき日本語の學習盤】が完成します。
世界各国で日本語の研究が盛んになる中、こうした研究家を正しく導く為、国際日本語研究會が大学教授らを研修者として招きコロムビアが作成したもので、全6枚12面で、各国研修者に搬送されます。 |
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| 3 |
大阪を出港し別府へ向かっていた別府航路の客船【緑丸】が、濃霧の為小豆島沖で汽船千山丸と衝突し沈没します。
乗客162名、乗員85名が乗船していましたが、深夜の事故と濃霧とあって107名が死亡するという、当時としては最大の海難事故となります。（写真10-21） |
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| 11 |
静岡、清水地区を中心に地震が襲い、死者110名、全半壊631戸の被害を及ぼします。 |
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| 15 |
東京〜下関を結ぶ特急富士に【お風呂列車】が初登場します。
お風呂といっても一等寝台車の一部にシャワーバスが付いたものですが、石鹸やタオルも用意され入浴料は30銭でした。
が、営業不振から2ヵ月後には廃止になりました。
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| 15 |
内務省で著作権委員を発表します。それによると民間からの委員は
《絵画：横山大観》《小説：菊池寛》《劇場：小林一三》《音楽作曲：山田耕作》ら等で、当時の各界の著名人たちが顔を揃え、著作権に対する文化運動がなされます。 |
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| 22 |
この日の生糸市場では1俵670円という新高値となります。
日本橋小舟町の綿糸問屋だった齋藤弁之助商店も、この頃の商い高が増えていた頃ですが、右は【2-1.大正時代･斎藤弁之助商店】に写る祖祖父や齋藤商店の面々で、写真には糸の俵も見えます。（写真10-22） |
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| ・ |
警視庁では海水浴場での取締まりを強化し、開場時間は日没までとし、さらにダンスなどの行為も禁止とします。 |
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| ・ |
これまでの扇風機は4枚羽でしたが、逓信省では風量が大きく音の静かな3枚羽の扇風機を開発し《噪音少キ扇風翼》という特許を取得します。
以降三菱電機、富士電機などで販売しますが価格は18円と高価でした。（寫眞10-23） |
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10-21．緑丸遭難を報じる記事/東京日日新聞 |
10-22．日本橋小舟町の齋藤弁之助商店 |
10-23．4枚羽の扇風機広告 |
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| 【8月】 |
| 1 |
警視庁でパトカーの前身といえる【無線自動車】を導入します。
現在のような乗用車ではなく、貨物自動車をベースにし、無線で連絡を取り合うことが出来るという、当時としては画期的な車両だったようで、6台を導入し、早速取締りなどで威力を発揮したようです。 |
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| 2 |
古川ロッパが有楽座にて【歌う弥次喜多】などを上演し人気となります。 |
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| 10 |
第一回芥川賞と直木賞が決定します。
芥川賞は石川達三著の「蒼氓」。（写真10-21）
直木賞は川口松太郎著の 「鶴八鶴次郎」「風流深川唄」などに決まりましたが、賞の贈呈式は10月28日に日比谷公会堂で行われます。 |
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| 12 |
陸軍内部で統制派と皇道派の対立が激化する中、陸軍省軍務局長室にて永田鉄山少将が相沢三郎中佐に『天誅』と日本刀で斬殺されます。
こうした統率派と皇道派の対立が翌年の二・二六事件へと発展して行きます。
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| 23 |
吉川英治の【宮本武蔵】が東京朝日新聞で、翌24日の夕刊には大阪朝日新聞夕刊でも連載が開始されます。（写真10-22）
当初200回で終えるはずだったものの、新しい宮本武蔵の姿が人気となり、結局昭和14年7月まで1013回の連載となります。 |
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単行本も出版されましたが、延べ2000万部を超える大ベストセラーとなります。 |
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現在知られている宮本武蔵像は、この時に小説として表現されたものが、史実のように伝わっていると言われています。 |
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| ・ |
前年改定された出版法により【のぞかれた花嫁】が発売禁止処分となり、歌謡曲の発禁第一号となります。 |
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これは10月公開の日活映画【のぞかれた花嫁】の主題歌でしたが、「誰もみていない部屋なら アノ甘い接吻しない…」などの歌詞に問題がある発禁処分となります。
その後歌詞を変えて再販売することになりますが、この時B面だった【二人は若い】を中心にプロモーションしたところ、こちらの曲が大ヒットとなります。
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| ・ |
日本全国で幼児を中心に流行性脳炎が蔓延し、高熱を発し眠り続ける事から《眠り病》と言われます。 |
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10-24.第一回芥川賞受賞【蒼氓】 |
10-25.永田鉄山少将襲撃を報じる記事/東京日日新聞 |
10-26.宮本武蔵第1話/朝日新聞 |
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| 【9月】 |
| 3 |
旭硝子が国産初の磨き板ガラスを製造します。
これによって国産ガラスが増えてゆきます。 |
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| 5 |
西村式豆潜水艇第2号の試運転が熱海初島沖で行われ、深度60mまで潜行し、海底の撮影が行われます。 |
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| 12 |
東京電灯（現東京電力）の尾瀬ヶ原での発電計画が、湿原の天然記念物指定内定によって中止となります。
尾瀬に関しては明治36年にダム計画が発表されてから、東電の前身会社が買収し、度々開発の危機にさらされてきましたが、平野長蔵氏ら数多くの保護活動の中この日天然記念物の内定がなされます。
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翌月には3度目ののダム計画発表がされ、天然記念物の内定も取り消され、その後も東電による開発計画が出され続けましたが、最終的には25年後の昭和35年の天然記念物指定によって現在の保護に繋がります。（写真10-27） |
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| 14 |
第一高等学校は東京帝国大学（東大）農学部と敷地を交換し、生徒が駒場まで銃を担いで行進します。 |
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| 26 |
三陸沖で演習中の第四艦隊が台風の影響で遭難し、駆逐艦初霜、夕霧などが船首を真っ二つに切断し、殉職者54名という大きな被害になります。《第四艦隊事件》（写真10-28） |
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10-27．戦前の尾瀬ヶ原/絵葉書 |
10-28．第4艦隊遭難を報じる記事/東京日日新聞 |
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| 【10月】 |
| 1 |
第四回国勢調査が行われます。
今回は浮浪者なども対象となり、5年前の調査より730万人増え、人口は9769万人となります。
年齢別の人口推移は綺麗なピラミッドの形でしたが、平均寿命は男女とも50歳に満たず、男性46.92歳、女性が49.63歳でした。 |
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| 1 |
大阪御堂筋に大阪そごうが開店します。
これで大阪の4つのデパートが全て地下鉄で繋がれる事になります。
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| 3 |
イタリアがエチオピアに侵攻し第二次エチオピア戦争が起こります。（写真10-29）
1896年の第一次エチオピア戦争ではアフリカの小国がヨーロッパの列強に勝ちましたが、今回は圧倒的な戦力の差によって、翌年5月には首都のアジスアベバが陥落し、皇帝はイギリスに亡命します。
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こうして短期間でイタリアはエチオピア全土を占領し、植民地化することになります。
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| 6 |
東京日日新聞と鉄道省が【ハイキングの夕】を東京、名古屋、大阪、札幌、仙台で開催します。
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都市近郊の山々を歩くことが健康の為に良く体力増強にも繋がるという事から、庶民のレジャーとして流行し、更に国の政策とも一致した事から、私鉄各社もハイキングの誘致などを行い、更に【ハイキングの唄】なども発表された程、ハイキングはブームとなります。 |
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右は【昭和11年・日帰りハイキング】に掲載しているハイキングのチラシですが、これも東京日日新聞と鉄道省、そして日本旅行協会主催のものです。（写真10-30） |
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| 10 |
宮内省の新庁舎が皇居内坂下門に完成し、落成記念式が行われます。 |
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| ・ |
この頃から愛国婦人会と国防婦人会の対立が表面化して行きます。
お互いの方針の違いや、会員の奪いなども報じられ、お互いを合体すべきとの検討がなされます。
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結果として昭和17年には両団体は合体し大日本婦人会として新に発足することになります。 |
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| ・ |
女性の間でロングスカートが流行します。
昭和5年頃から繁華街では洋装が増え、特に昭和10年初夏から髪はパーマのショートヘアーに、足元は筒型のロングスカートがブームとなります。（10-31） |
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10-29．イタリアに対抗するエチオピア軍/ウィキメディア |
10-30．昭和11年開催のハイキングチラシ |
10-31．ブームとなったロングスカート
/アサヒグラフ |
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| 【11月】 |
| 1 |
この日から列車の車内販売が始まります。
列車の停車時間が少なくなった事から、車内でお弁当や寿司、お茶などを販売します。 |
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| 1 |
名古屋市でわが国2番目となる職業野球団《金鯱軍》が発足します。
実際の結成は翌年2月になり、東京巨人軍と試合をします。 |
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| 3 |
警視庁史上初の保険金殺人事件が起こります。
母が息子に6万6千円の保険をかけた後に殺害したもので、犯人の母と共犯の妹は自殺します。 |
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| 3 |
横浜刑務所から3人の囚人が脱走し、東京に2日間潜伏の後逮捕されます。
折りしも天皇陛下の臨行中と言うこともあって、警察官5000人という五・一五事件以来の警備態勢となり、《明治節脱獄事件》と称されます。 |
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| 3 |
丹那トンネル開通に伴い熱海の人気が上昇し、明治節と大安が重なったこの日は、熱海への新婚旅行客が119組を数え、東海道本線下り列車は【新婚列車】と言われるようになります。
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| 11 |
東京芝浦に初の車庫付きアパートが完成します。
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| 20 |
日本人の平均寿命は男子44.8歳、女性46.5歳と新聞に掲載されます。
またこの頃の死因は1位：結核、2位：肺炎・気管支炎、3位：胃腸炎、4位：脳血管疾患の順です。
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| 21 |
豊田自動織機（現トヨタ）は国産初となるトラック【G1型】を完成します。（写真10-32）
翌月には名古屋にて発表会をし販売します。（価格は2万9000円）
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右は復元されたG1型トラックですが、【6-34.昭和16年･軍事演習 2】に写る東京外語学校時代に写るトラックが、同じトラックのように見えます。
翌年には改良を加えたGA型トラックの量産が始まりますので、軍事演習に写るのはトヨダGA型トラックのようです。（写真10-33） |
| 21 |
浅草の喫茶店にて、小学校校長が青酸カリで毒殺され、給料3300円が奪われると言う、我が国初の青酸カリ毒殺事件が起こります。 |
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| 26 |
日本ペンクラブが結成され、会長に島崎藤村が就任します。 |
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10-32．復元された豊田Ｇ１型トラック/ウィキメディア |
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| 【12月】 |
| 1 |
年賀用郵便切手が初めて販売されます。（1銭5厘）（写真10-34） |
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常磐線で婦人行商人専用列車が連結されます。
通常車両と違って一般の人は乗れず、大きな荷物を背負った行商の人達が乗りやすいようになっている列車です
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尚、京成線では朝5時50分初の9両連結中の6両ないし7両が行商人で埋め尽くされ、400人に及ぶ行商人が日暮里や上野を目指していました。 |
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平成22年現在も、京成電鉄では【行商専用車両】がまだ存在しています。
さすがに車両全部ではなく、六両編成の最後尾のみのようですが、近鉄（近畿日本鉄道）では鮮魚行商専用列車が現在も運行されているようです。 |
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写真は【昭和10年・八百屋のトラさん】に掲載の、家族と一緒に写る千葉の行商八百屋のトラさんですが（最後列中）、上野桜木にもこうした行商の方々が通っていたようです。（写真10-35）
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因みに行商人の歴史は浅く、関東大震災の後に生卵の行商が始まった事が最初とされ、その後鉄道網の普及によって次第に増えて来ました。 |
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現在も伯父の自宅があった上野桜木には千葉の行商の方が見えて朝市を行っています。 |
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警視庁は550人体勢で京都綾部の大本教本部を治安維持法違反で急襲し、出口王仁三郎や幹部らを逮捕します。
神殿はダイナマイトなどで破壊され大本教は解体されます。《第二次大本教事件》
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東京区検はボクサーのパンチを凶器と初認定します。 |
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大阪野球倶楽部（現阪神タイガース）が設立されます。
先の東京野球倶楽部に次いで2番目の球団で、翌年には更に5チームが誕生し、リーグ戦が開幕します。（写真10-36） |
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芝浦で開催された肉畜博覧会で、三重県松坂の牛が名誉賞を受賞し、松坂牛の名が広がります。 |
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鐘紡兵庫工場では国内で初めて《女工の1日6時間労働》を発表します。
これによって主婦の就労も可能となりましたが、パートタイマーの始まりとも言われます。
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この月1つのコンセントで4つの差込口がある【テーブルタップ】が発売されます。
またナショナルでは電灯のスイッチが簡単に出来、差込口も付いた【国民ソケット】を販売し、全国的に人気となります。 |
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10-34．昭和11年用年賀切手 |
10-35．千葉の行商の八百屋のトラさん/昭和10年 |
10-36．大阪タイガースのポスター |
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北海道北見のハッカ生産が世シェアの7割を占め、世界一となります。 |
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地震エネルギーの表現に、マグニチュードが用いられるようになります。 |
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この年はペットとしての犬を飼うことが流行します。
写真は【4-3.昭和6年・狆・言問通り】に掲載している飼い犬の狆です。（写真10-37） |
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米国の漫画映画【ポパイ】が上映され人気となります。（10-38）
この後雑誌【新青年】では漫画が掲載されたり、昭和15年公開の【エノケンの孫悟空】ではポパイのテーマソングと共にポパイの様子を模した演出などもされます。
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紙コップが登場したのがこの年です。
現在の飲料用ではなく、アイスクリームのカップ用に開発されました。
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三菱電機ではシャッター付きの換気扇を販売します。（9円）
現在の換気扇の原型とも言えますが、一般家庭に普及するのは20年後のことです。 |
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10-37．昭和6年の狆 |
10-38．昭和11年頃のポパイ/ウィキメディア |
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| 昭和10年の流行 |
| 童謡 |
どじょっこふなっこ、ハイキングの唄 |
玩具・
遊び |
一銭玩具、小学校・千代紙大流行、ミッキーマウスやベティーちゃんのシール、ビー球、幼稚園などに教育紙芝居が普及、 |
| 流行歌 |
大江戸出世小唄、旅笠道中、野崎小唄、二人は若い、むらさき小唄、明治一代女、 |
舞台・
映画 |
大江戸出世小唄、東宝バラエティ（古川ロッパ）、
外人部隊、歓呼の嵐、人生のお荷物、雪之丞変化、 |
文化・
社会 |
暁の超特急、喫茶店ブーム、月賦販売、天皇機関説、中国服ブーム、ハイキング、パーマ、綿糸輸出高史上最高、ロングスカート |
| 言葉 |
あなぁた・なぁんだい、非国民、二人は若い、ワンサ・ガール |
モノ・人
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ハチ公、シャーリー・テンプル |
| 本・漫画 |
第一回芥川賞「蒼氓」、同直木賞 「鶴八鶴次郎」「風流深川唄」、宮本武蔵、人生劇場、コグマノコロスケ |
| ラジオ |
ラジオ聴取契約数200万突破、学校放送開始、街頭ラジオ |
| この年の初登場 |
| お風呂列車、アサヒスタウト、紙コップ、繰出し式口紅、シャッター付き換気扇、幅広3枚羽の扇風機、ルームエアコン、芥川賞・直木賞、 |
| この年の物価 |
| 白米10kg2円39銭、みそ1貫80銭、醤油1升53銭、さけ缶詰23銭、天丼20銭、うな丼25銭、いのしし鍋30銭、ビフテキ1円、金太郎飴30銭、あんみつ13銭、最中2銭、石油ストーブ18円、国民ソケット75銭、風鈴10銭、鉱山労働者平均日給1円75銭、巡査初任給47円、東大生平均生活費月学47円59銭、山小屋宿泊2円、ダットサン1900円、アサヒ号オートバイ340円、幼児三輪車2円80銭〜、ヤマハオルガン27円〜 |
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