4-20.昭和7年・小田原駅 ← ・ → |
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上の写真は昭和7年の小田原駅です。 この駅舎は大正9年に小田原駅が開業してから82年間に渡って、伊豆箱根方面のモダンな玄関口として親しまれてきましたので、三角屋根の小田原駅の面影を知る人は多いことでしょう。 写真が撮られた昭和初期の小田原駅は、熱海まで鉄道が開通し、更に新宿発の小田急線も開通したばかりということで、熱海や修善寺等伊豆方面や箱根方面へ湯治や観光に行く人で、結構賑わっていたそうです。 その為か駅の正面には箱根や伊豆方面行きなのか、ボンネットバスやタクシーが停まっていますが、今ではこういうボンネットバスは全く見かけなくなりました。 この時は、祖父と母と当時幼稚園に通っていた五男(私の父)と一緒に、療養の為に箱根の強羅温泉に滞在しており、近くの道了尊へお参りに行く為に小田原に立ち寄った時の写真だそうです。 写真右手の【道了尊行電車】というのは、大雄山鉄道(現伊豆箱根鉄道大雄山線)の事で、この頃は看板のように小田原駅までは直結しておらず、400m程離れていたそうです。 この大雄山鉄道が小田原駅と結ばれるのは、3年後の昭和10年ですので、こうした看板を覚えている方も少ないのではないでしょうか? それにしても、地面に突き立てられただけの、【道了尊行電車】の立看板といい、看板の手の矢印といい、更にその横に立つ裸電球の街灯といい、この一枚で昭和初期の様子を感じさせてくれます。 そして下の写真は現在の小田原駅ですが、写真が撮られた昭和7年とは全く違う駅舎に様変わりしています。
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