7-27.昭和18年 甲府第六十三部隊   ・ →


甲府の部隊にて/昭和18年4月

甲府の留守部隊から伯父が出した封書がありました。
これによると、住所は《山梨県甲府市古府中町 東部第六十三部隊 中田(元)隊》となっています。
青山の部隊にいた時は、近衛歩兵第四連隊 大島隊でしたが、ここ甲府に移動してからは中田(元)隊に配属されたようです。
この甲府の東部第六十三部隊という場所は、元々明治38年(1905)に創設された大日本帝国陸軍の歩兵第四十九連隊の拠点でした。
伯父が申していましたが、この甲府第四十九連隊が大陸に移動したことで、留守部隊として伯父たちの東部第六十三部隊が甲府に移動したそうです。


山梨工業大学関西支部ホームページより転載

この部隊見取り図が上になります。
山梨工業大学関西支部ホームページから許可を得ての転載ですが、当時の営門をはじめ、射撃場、兵舎、そして右上日の丸の下には将校集会所が記されています。
前頁の建物前での写真は、この将校集会所で撮影されたと思われますが、この将校集会所の一部は現在も山梨大学のワイン科学研究センターとして残っています。
将校集会所の防空壕が、現在はワインセラーとして活用され、日々ワインの研究がなされているようです。


営門

将校集会所

兵器庫や大中隊被服所など

山梨工業大学関西支部ホームページより転載

現在この部隊があった場所は、山梨工業大学のキャンパスや、山梨県の病院や役所、市営住宅等多くの建物が建っていますが、当時の糧秣庫(食料庫)は有形文化財として、現在もキャンパス内に残っていました。


今も残る旧食料庫

山梨大学赤レンガ館

また、営門(正門)があった場所は現在甲府市の施設が建っていますが、敷地の一角には【旧歩兵第四十九連隊営門跡】の碑が立っていました。
伯父も70年前には、この営門を通っていたと思いますし、糧秣庫にも足を運んでいたかも知れません。


旧歩兵第四十九連隊営門跡碑


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