6-42.昭和16年・一ツ橋 2   ・ 


一ツ橋にて/昭和16年

前頁と同じく、橋の上の写真ですが今度は伯父も写っています。
道路には乗用車が1台写っていますが、今の一ツ橋とは比較にならない交通量ですね。
そして、写真を見ているうちに、現在の一ツ橋と比べて、一つだけ違う部分がありました。
それは欄干の模様の向きがどうも逆ではないか?という点です。


確かに古い写真と比べますと、階段状の模様の向きが逆でのようですので、道路反対側で撮ったのかも?と思い、道路を渡って反対側でカメラを向けましたら、そこには建物は無く皇居が広がっていました。


一ツ橋から皇居方面を望む

今度は写真に写っている建物を調べましたら、まず写真右側に写っているのは、現在も建っている【学士会館】のようです。
この建物は昭和3年に建てられ、国登録有形文化財にも指定されていますが、旧帝国大学系の出身者や教授などによって組織される学士会のビルとして建てられたものです。
現在は結婚式場やレストラン等も営業しています、学士会館が建つ前は東京外国語学校が建っていた場所でもあります。


昭和16年学士会館

現在の学士会館

次は橋の後ろに写っている三角屋根の建物ですが、古い資料を探していましたら、同じような建物が見つかり、それによると、この建物は大正8年に建てられた【如水会館】と言う事が判りました。
関東大震災で被害を受けましたが、三角屋根などは残り、昭和中頃までは、この一ツ橋近辺では高い三角屋根として親しまれていたようです。


現在も同じ位置に新しく高いビルになった【如水会館】が建っていますが、この建物も一ツ橋大学の後援組織として建てられたもので、現在は結婚式場やレストランなどが入っています。
また、【6-1.昭和13年・東京外国語学校】に掲載の【東京外国語学校の碑】はこの如水会館の横ににありました。

こうした事から、これらの写真は【一ツ橋】に間違いなく、撮影した位置も橋から神田方面で、欄干は補修などの際に左右入れ替えられたか作り直されたものと思われます。


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