4-53.昭和8年・科学博物館   ・ 


 国立科学博物館前/昭和8年

こちらの写真は上野公園内の、【東京科学博物館】(現国立科学博物館)をバックに撮影したもので、前が小学生当時の四男と五男の兄弟で、後ろに立っているのは、中学生のお友達です。

この博物館の前身は、明治3年に湯島聖堂に設置された当時の文部省の観覧施設としての博物館です。
その後上野と湯島で何度か場所が移転し、名称も変わりながら昭和5年12月に現在と同じ場所に落成し、翌昭和6年11月には【東京科学博物館】として天皇陛下を招いて開館しました。(現在の日本館・旧館)

伯父達兄弟にとっても、この博物館はワクワクするような施設だったらしく、何度となく見に行ったそうです。

またこの科学博物館が建っている一帯は、江戸時代は寛永寺の子院があった場所でもあり、更に弥生時代の住居跡や、古墳時代の竪穴式住居なども見つかっています。
これ以外にもこの上野の山一帯では貝塚も多数発見されており、かつては上野の山より下は海であった事を物語る場所でもあります。
こうした遺跡であった事から、この一帯は【上野忍岡遺跡】と言われ、博物館の新館建築の際は、古墳調査などもあって、落成まで10年程もかかりました。


現在の国立科学博物館前/平成19年2月

それにしても、昔の博物館前は、芝生が広がりとても開放的な感じです。
現在は上のように、樹木がたくさん植えられ、芝生もなくなりコンクリートに変わっています。

昭和5年に建てられたこの建物は、新ルネッサンスを模した造りと言われ、正面から見ますと四角に見えますが、天井部分は丸い構造となっています。

屋内から見ても当時のままの綺麗な天井やステンドグラスが見えますが、館内も当時のままの姿を多く残しています。

平成16年には、この裏側に【上野忍岡遺跡】の調査が終えた後に新館がオープンし、写真の旧本館も平成19年4月には改修が終わりました。

現在は新しい建物が【地球館】となり、古い建物は【日本館】と名称を変え、常設展示会場として公開されています。



今や展示数も非常に多くなりましたが、写真右中は、約6500万年前のトリケラトプスの全身骨格標本です。
世界でも2つしかないと言われる珍しい化石で、現在の国立科学博物館の貴重な展示物のひとつです。

こうのような恐竜の骨格から、動植物の標本や資料。
日本の歴史の品々から、科学的な標本の数々。
また科学を体験するコーナーなど、常設展示としては、一万点程の展示物が公開されており、更に企画展ではさまざまな展示や発表がなされ、まさに大人から子供たちまで幅広く楽しめる博物館です。

右は零式艦上戦闘機二一型ですが、これは実際に戦時中に戦闘機として飛んでいたもので、墜落したものが昭和47年にニューブリテン島沖で発見され引き上げられ、オーストラリアで1500万円で売りに出されていた物を、日本の大学教授が購入し、科学博物館に寄贈したものです。

360度シアターという会場は、会場が球体になっており、球体の真ん中で映像を見る映像施設です。
2005年開催の【愛地球博】の時に公開された映像や、科学博物館独自の映像が見られますが、まさに360度全てがスクリーンとなり、その動きや映像はリアリティで迫力満点です。

これ以外にも特別展として、国内外のさまざまな展示会が開催され、人気のある企画展などは大変な混雑となります。

写真右下は平成18年に開催されたロボット展の時のものですが、最先端を行くロボットの【ASIMO】が展示され、ショーも開かれ、ロボット開発の歴史から、最先端の展示など、たくさんの人が訪れていました。

こういったように、歴史のある国立科学博物館は、自宅から近い事から何度となく訪れていますが、大人にも子供にも本当にお勧めの場所です。


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