7-7.昭和17年・代々木練兵場   ・ 


 代々木錬兵場にて/昭和17年

にこやかな表情の写真がありましたが、写真裏には《昭和十七年 六月 代々木にて写す》と書かれています。
代々木と言う事は、現在の代々木公園に終戦前まであった代々木練兵場の事のようです。



現在の代々木公園原宿口

代々木練兵場とは、明治42年に現在の代々木公園一帯からNHK放送センターや渋谷区役所、代々木競技場にかけての広大な土地に、当時の陸軍省によって整備された軍事練習場の事です。
それ以前の江戸時代には彦根藩井伊家や岸和田藩岡部家などの大名屋敷や庭園があった場所ですが、明治になって整備された練兵場は現在の代々木公園の倍以上の広さがありました。


日本航空発始之地の碑

徳川・日野両パイロッ銅像

練兵場が整備された翌年明治43年には、陸軍大尉の徳川好敏及び日野熊蔵の両氏によって、日本初の動力飛行機による飛行がなされますが、その飛行場所が代々木練兵場でした。
現在の原宿口近辺から飛行を開始し、高度70m程で4分間に渡って1週半、3000mを飛行したとの記録がありますが、左上写真の公園入り口から100年前に飛行機が飛び立ったのでしょうか?
尚、この飛行がなされた明治43年12月19日が、日本における初飛行の日とされています。
現在も地下鉄代々木公園駅近くの公園一角には鷲のような鳥が羽を広げた様子をモニュメントにした【日本航空発始之地】の碑があります。
因みにこの碑は先の皇紀2600年を記念して昭和15年に竣工したものです。

また、この碑の隣には徳川・日野両パイロットの銅像も立っています。
現在の代々木公園は、木々が生い茂り、散歩をしたり休憩をしたりと、さまざまな人々が訪れていますが、かつて陸軍の練兵場であった事を知る人は多くはないと思われます。


陸軍始観兵式で閲兵を行う昭和天皇/ウィキペディア

伯父の写真が撮られた当時は、天皇陛下をお招きしての《陸軍始観兵式》が度々行われていましたが、この年昭和17年1月8日の観兵式は兵員約2万人、航空機約500機、戦車約150両という規模で行われています。
「観兵式の時には天皇陛下もお見えになり、白い馬に跨って颯爽としておられたな〜」
と伯父も申しておりました。
写真は昭和13年の観兵式の時の昭和天皇で、跨っているのは愛馬の【白雪】号です。


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